2019年が終わる

もう後7時間後には2019年が終わる。全くなんの感慨もないし、実感もない。年々実感がなくなっていく。
僕にとって年越しというのは、祖父の家に行って寿司を食って、帰りの車の中でフロントガラスに雪が吸い込まれていく様子を眺めながら除夜の鐘を聞くことなのかもしれない。
そしてそのあと、コンテナが連なったみたいなカラオケボックスに行って友達たちがいかに地獄になっているかを確認することなのかもしれない。
しばらくそういうことは行われていない。
だから年末年始というのが実感を伴わないままやってきて過ぎていくというのが、ここ最近の通例になっている。

さっき作品が多分完成したので微妙にハイだ。多分というのは、後ほど見直すとなにかしら手を加えたくなる可能性があるからで、だけど多分このまま完成とする可能性が高いのでは?と思っている。
できたはいいけど、これは来年の1月からの展示で使うので今すぐ公開できない。できたものをすぐ公開できないのは悲しい。

展示すること自体、3年ぶりくらいになる。
年末に声がかかって出すことに決めた。そろそろ動きたいと思ったからだ。公募展で出展するのは一作品だけ。周りの出展者が決まると僕はなんとなく他の出展者のサーチをしまくった。久しぶりすぎてびびってる。びびってるし、やっぱり出すからにはポジティブな評価を得たい。調べたことで作成する作品に変更を加えるということはないけれど、なんか気になって仕方なかった。多分3年の間に随分と周りの状況が変わっているだろうし、自分も変わった。その差分がどの程度なのかを確認したかったのかもしれない。

制作は難航した。
序盤にしっかり失敗して、夜中3時に途方に暮れた。 絵のパーツが全く浮かばなくて、会社の往復中ずっとiPadにぐちゃぐちゃ描いてみたりした。
色も決まらなくて、絵の前でなにもせずに音楽を聴いて、取り敢えず、と言って漫画を読んで時間が過ぎた。
塗った色が気に食わなくて6時間くらい同じ色ばかりいじってみたりした。
さっきまで完成の見込みが立たなくて、どうすればいいのか途方に暮れていた。

絵を描いてる時に思い出すのは、大学の時に良くしてもらった柳楽先生の

絵は結局、色と形と構図

という言葉で、ずっと頭に残っている。
最近料理について考えていた時、この言葉が浮かんで、料理は味と香りと食感やなと思ったりした。

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2月から新しい職場に移って、もうすぐ丸一年。
仕事についてここでとやかく言いたいことはないけど、何事もなく過ごせている。

プログラミングは楽しい。もちろんなにをするかによるわけだけど、多くの場合コードを書くことは自分にとって楽しい。
楽しいことをやって金を得ている。絵を描いている時は金のことを考えると途端にしんどくなったが、コードは楽しく書いてられる。もちろん金を得られるからコードを書くというわけでもなく、家だと環境の問題で書くことができないのでわざわざコワーキングスペースに行ってまで書いたりしている。
結局物を作るのが好きで、それがコードから成ろうが、絵具からなろうがあまり差異はないのかもしれない。むしろ絵の場合は個人的な部分に深く根ざしすぎているし、マネタイズが非常に難しいこともあって、同じ好きを仕事にするでもプログラミングの方が合っていたのかなとおもう。
特に絵は3年前はなんとなく制作に金銭のことがちらついて、これが売れるといくら、あるいは売れやすそうな作品、飾りやすそうな作品、というようなことが常に浮かんでしまっていた。
3年経ってそういう気持ちは随分なくなった。もはや忘れ去られただろうという気持ちと、金は別で稼いでいるので、売れなくても困らないと割り切れるようになった。というより、売れなくてもいいので自分が面白いと思える物を、という気持ちが強くなった。

なんとなく仕事は辛いイメージがある。楽しくない、生きるために仕方なくやることだ、みたいな。
1日8時間、月160時間も費やすのに苦痛でいるのはどうなのだろうと思う。なんとなく子どもには仕事は楽しいものだと伝えたいし、子どもの前では楽しく仕事してるようにしたい。

個人的にアプリを開発しようと思ってコワーキングスペース通いを週一くらいで続けていたけれど、全く形にならないまま終わってしまった。これは来年頑張りましょう。

プログラミングの職種的に僕はWebフロントエンドデベロッパーに分類されるわけだけど、来年はデザイナーやサーバサイドとの協業をもっと意識的にしていきたいし、新しいことにももう少し挑戦したい。レガシーとの戦いもどこかでまとめておきたい。
これらは来年仕事でやりましょう。

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絵が完成して、今年これで何枚かけただろう。アナログ作品は記憶にある限りこれで4枚目。毎年4枚50年描いても200枚にしかならない。
200枚。人間の一生で描く枚数としては非常に少ない気もする。
もちろんそれはライフステージによって変化するし、いつか辞めたりすることもあるのかもしれない。プログラミングも全くしなくなる時がやってくるのかもしれない。であればできるだけ楽しく自分に嘘なくやっていきたい。

子どもが来年から幼稚園。
今は嫁の実家で同じ歳の甥っ子と戦争を行っていて、今そこに向かっている。
子供はかわいい。非常にかわいい。子どもと遊ぶのはすごく疲れるけど楽しい。だけどそれだけが自分の全てと言うことではもちろんない。
子どもと家庭と自分とのバランスをもっとうまくとりたい。

来年はオリンピックがある。オリンピックを見ながら酒を飲むのがすごく楽しみ。

そういうわけで、グッバイ2019